なんでもない日
なんでもない小話。
「今日、誕生日よ?」
「えっ…!」
「……知らなかったの?」
いつにも増してクールぶった顔でそう言ったのが小一時間前の話。
「ナナちゃ~~~ん!」
「ん?」
「誕生日おめでとう!」
「えっ?!」
ゆるいパーマの柔らかな印象そのままの性格をした友人は、割りとしっかりとした作りの箱を丁寧に抱えて持ってきた。
「オレ勘違いしてて、ごめんね。これどうぞ!」
「待って、待って、え?何?」
「何って…ケーキに決まってるじゃん」
ああ、しまった。そういう奴だったと思わず噴き出しそうになる。
受け取ったそれは3号のケーキ。真っ赤なイチゴがふんだんに盛られていた。
「やだもう……今日が何月何日か、言ってご覧?」
「え……?3月…じゃない、4月…あっ」
「ふっふ、ハッピーエイプリル?」
騙された~なんて笑う友人の顔を眺め、妙に可笑しくてつられて笑った。
「食べていくでしょ?」
「ん~…そうしようかな」
友人の強い希望で、等分ではなくやや大き目の方を貰う。
男なのに女子力の高い友人の選んだケーキは、当然のように美味しかった。
「えっ…!」
「……知らなかったの?」
いつにも増してクールぶった顔でそう言ったのが小一時間前の話。
「ナナちゃ~~~ん!」
「ん?」
「誕生日おめでとう!」
「えっ?!」
ゆるいパーマの柔らかな印象そのままの性格をした友人は、割りとしっかりとした作りの箱を丁寧に抱えて持ってきた。
「オレ勘違いしてて、ごめんね。これどうぞ!」
「待って、待って、え?何?」
「何って…ケーキに決まってるじゃん」
ああ、しまった。そういう奴だったと思わず噴き出しそうになる。
受け取ったそれは3号のケーキ。真っ赤なイチゴがふんだんに盛られていた。
「やだもう……今日が何月何日か、言ってご覧?」
「え……?3月…じゃない、4月…あっ」
「ふっふ、ハッピーエイプリル?」
騙された~なんて笑う友人の顔を眺め、妙に可笑しくてつられて笑った。
「食べていくでしょ?」
「ん~…そうしようかな」
友人の強い希望で、等分ではなくやや大き目の方を貰う。
男なのに女子力の高い友人の選んだケーキは、当然のように美味しかった。
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Nanatsu Ibata
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