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8月の話

その日はいつもより暑い日だった。



時は夏休み半ばを過ぎた頃。
じりじりと照りつける日差しはグラウンドで活動する生徒に容赦なく降り注ぎ、色濃く影を落としていた。
涼を求め校舎に避難をしたとて、時折吹き抜ける風は熱せられたもので休まらぬ。
それでも直接浴びるよりどれだけましなものだろう。
外から帰ってきた生徒の声で、玄関ホールから売店辺りの賑わいは、波がありはするもののこの生徒数の多い学校の事、途絶えることなく響いていた。

そこから程なく先、依頼相談に使われている教室では策を練る仲間たちの声が聞こえる。
ある教室では楽しそうな笑い声、またある教室では憤りの声が。人の命の関わる事、それぞれの思惑が絡み合っている。
そこから離れた誰も居ない教室のひとつに七は居た。
外により近く、ただし日差しは未だ浴びぬ場所で、誰のものとも知れぬ椅子に腰掛けていた。
手には一枚の報告書。

案件NO.××
六六六人衆 四五六番 ジェイル・マッケイガン

コピーを貰った報告書は、手の汗で幾らか歪んでいる。それも構わず、報告書を握り締めたまま遠くを眺めていた。
思い出す、奴と対峙した時の事。
奴の姿。
奴の声。
奴の言葉。
初めて負った深手と共に忘れはしない。
そして、三度目の接触の報告書で奴の堕ちた理由を知った。
なんて事はない、よくある話だ。
でも、とても悲しい話だ。
たった4つの小さな子ども。親は世界であったろう。
世界に見て貰いたかった。
世界に構って欲しかった。
世界に愛されたかった。
だが、見て貰えなかった。
構って貰えなかった。
愛されなかった。
愛して欲しいと願うのは、我侭だろうか?
ただひとりの世界にとって叶えられぬ願いだったろうか?
幾つもの考えと感情。伴ったのはため息。

「…………馬鹿ね……」


開け放たれた窓から入り込むセミの声が運動部の声を掻き消していく。
まだまだ終わらぬ夏。
真っ青の空。
小気味のいい音を放った白球が、高く空を駆けていった。

夏の話。





























































(背後、ジェイル大好きです。3回目の依頼時、ちょうどタイミングが悪くて予約さえも出来ずに泣く泣く見送ったのですが、本当に入りたいと思ったものです。噂によるとジェイルさん大人気なようで、今後シリーズが出ても当選確率は低いのだろうなーと思っているのですが、是非また戦いたいです。運命力、カモン!
七は縛りをつけて条件が揃わなければ闇堕ちはしないようにしているのですが、もし堕ちるなら彼のために堕ちてもいいなーと思ってたりもします。…ためにってオカシイですがね!
(そういえばある方の救出依頼で出てきて、ひゃー!となったりもしていました笑そちらはお帰りなさいませ。ご無事で何より。とてもあたたかい依頼でした。))
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