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嘘と花

依頼を経て。
==========

ふわり ふうわり

花びらが舞い落ちる。
真白のキャンバスに淡い桃色を一適垂らした花びらは、静かに舞っていた。
懐かしい思い出。
いつかの記憶。

そこに居るのはだあれ





ふ、と、七は己のベッドで目を覚ました。
灯りの無い部屋で、手探りでスマートフォンを見つけ出す。ボタンを押し液晶を浮かび上がらせ、時刻を確認すると4時を回っていた。はぁと息を吐き、七は腕で目を覆う。
懐かしいものを見た。そう遠くは無い、それでいてとても懐かしいもの。
「夢に見るとは、思ってなかったわ…」
ごろりと寝返りを打ち、眉を顰めて小さく呟く。

切っ掛けは分かっている。あの男だ。8人掛かりで殺し損ねた、殺すにはまだ力が足りなかったあの男の一言。
『どこか柔らかい花の香りもする』
真実か甚だ疑問の残る話だが、咄嗟に思い浮かべた花がひとつだけあった。

もしそうだったのなら、
もしあの花であれば、




あれ程痛かった体の痛みはもう無い。折れた腕が即座に治るのを見て、戦いのさなかだと言うのに俄かに目を見張っていた。バベルの鎖で守られなければ、あの数倍、もしかすると数十倍痛かったのだろうか。
「……あたしが堕ちたあの時、どのくらい痛かったのかしら…」
ぽつりと呟いてから溜息ひとつ。それから強く目を閉じた。考えても詮無い事。

暫しの後、七は再びまどろみに沈む。
同じ夢は見なかった。

















































































(バベルの鎖すごい)
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