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独白

新年早々のイフリート討伐を受けて。
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冬の自室。
こちらでは外の空気はピンと張り詰めることは無いのだと、つい最近知った。
寒さにも種類があるのだと、つい最近知った。
刺すほどの痛みはないのだと、
無いのならばこれは別物だと、

ああ



愛しい冬よ。

振り返らせてくれるなよ。



ああ




時刻は22時を回った頃。窓辺に座り、膝には何処とも知れぬ誰とも知れぬ黒猫を抱え、七は外を眺めていた。時折猫の背を撫でる。猫はそれに応じ、尾をゆらと揺らめかせていた。
「油断したらね、死ぬかもしれないそうよ」
ぽつり、と七は声を漏らした。猫の尾は素知らぬ様子で揺れている。でも、七も意に介さない。
「それがね、日本各地に、何頭も。…酷い話よね」
そう、これはただの独白。
それだけ。
ただ、膝を温める温もりが今の七の寄す処。
「……もし、死に掛けたらどうしよう。きっとあたし……闇堕ちは出来ないわ」
吐く息が白くないのをぼんやりと頭の隅で思いつつ、言葉を漏らす。
闇堕ち。死の際に立ち、己は生にしがみ付けるか考えていた。
答えは、否。
何度シミュレートしても、答えは同じだった。
窓の外から視線を戻し、生きている己以外の暖かさに改めて触れる。呼吸をするたびに体は柔らかく動き、それこそが生きている証だと、七は思った。
頬の幾らか後ろを撫でると、猫は気持ち良さそうに小さく鳴いた。
「………笑ってくれる?もしね、もし、死んだらあの人にまた会えるのかもって思ったらね……死を選ぶかもしれないわ、あたし」
不意に、プァーーーン、とクラクションが鳴り響く。まだまだ人々の活動が終らぬ時間、雑踏も絶えぬ頃。
あの世で会えるかもなんて、可笑しいわね。
笑ってしまう。
でも笑えない。

ああ


ああ




猫を掬い上げて抱きしめる。寄せた頬の冷たさに、猫は嫌そうに「ナァオ」と鳴いた。

「…あたし、まだ愛してるんだわ」




そんなの分かっている。
簡単に忘れられる訳が無いのだ。

最愛の人。

もう二度と会えぬ人。

それでも、




それでも―――






冬よ冬。愛しい冬よ。
あの人の最後の笑顔がこびり付いて離れない。
愛しい唇から漏れた白い霞を追って、ついて行きたかった。
春を待たずに死んだあの人。
桜を待たずに死んだあの人。



愛して居ります。

今でも。










































(七の闇堕ちのトリガーは愛。故に、イフリート戦で万が一の事があっても、きっと闇堕ちは出来ないだろうなと思います。まだまだ遊びたいので死んだりなんかしませんが!頑張りますが!
七は闇堕ち自体は手段の一つである、と考えています。だって皆が助けてくれるでしょ?と思っています。
でも再び堕ちれるかはまた別の話。
無料シナでノリというか勢いで闇堕ちOK!とか書いた事を悔いつつ(笑)全然OKじゃないよ…!
そういや書き忘れてましたが、クリスマス辺りに1mm身長が伸びてました。やったね!目指せ170cm!
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