山の上におおきな樹が一本

あ～ら～し～の～中～、あ～な～た～～～を～、待～～～～～～～～ってる！

（近所の公園、黄昏過ぎ。ひとりの女が大声で歌っている。表情はひどく楽しそうで、笑顔で。一節歌い終えてはくるりと回って踊る）

（当然のように道行く人からは不審者を見るような視線が飛ぶが、女にとってそれはどうでもいいらしく、人目を気にする様子はない）



（その日から数日、小学生の間では、公園に変なおねーちゃんがいると密かな噂になったとか、なってないとか）